危険な手技の回避

胸の筋肉(大胸筋)を伸ばすストレッチの方法、
ピシットタイマッサージトレーニングスクールで、禁じ手となっているのが下の写真。

このストレッチは胸の筋肉が広がってとても気持ちがいい。なぜ、禁じ手なのか? 理由は、前回解説したケースと同じで、大胸筋が伸びきった状態で、後ろから強い力を与えると背骨や肋骨を損傷する危険があるからである。

ピシット先生が推奨する方法が下の写真だ。

この方法は体幹を捻ることによって大胸筋のストレッチを行っているので安全だ。

このように、一つの手技で何をしようとしているのか、筋肉レベルにまで分解して考えれば代替手段はいくらでもある。安全かどうかだけでなく、体格差や体重差によりある手技が不可能な場合も、解剖学的にその手技の目的を理解していれば他の手技で同じ効果を上げることができる。シーケンスの流れに囚われ過ぎて特定の手技に執着すべきではない。

ところで、この2つの手技はどちらも大胸筋を伸ばすことを目的としているが、付随する効果はずいぶん異なる。最初の写真では、背中の筋肉を足の親指で指圧する、腕を伸ばす、そして一回で大胸筋両側を伸ばせる、というメリットがある。

後の写真は、二の腕と広背筋が同時に伸ばされるというメリットがある。

タイマッサージの手技は複合的な効果を持つ場合が多いので、一つ一つの手技の意味を解剖学的に理解することが出来れば、どういう手技を組み合わせれば効率よくすべての筋肉を解すことができるか自分で構成を考えることが出来るようになる。

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