合掌の意味

タイマッサージを始める前には必ず合掌を行うこと、と教わる。

別に仏教徒ではないのだが・・・

と、ためらう方もいらっしゃるだろう。しかし、この合掌には深い意味がある。それは信仰心とか礼儀という意味ではなく、タイマッサージの一つのテクニックとしての意味である。

「気」という言葉がある。科学的には未だに謎が多いが、体から発せられる電磁波や熱、音、空気の流れ(気配)が、人から人に伝わっているのが気である。誰かと一緒にいるとき、その人がすごく幸せな人ならこちらもなぜか楽しい気持ちになるし、機嫌が悪い人だとストレスになる。このように、集団で生活する人間は一緒にいる人と気分や体調が同調するようにできている。

タイマッサージは相手をリラックスさせ、ストレスから解放して幸せにしてあげることを目的とする。だからまず、施術者が幸せな気持ちに包まれて、いい気を体から、手から、そして語りかける声から発散させなければならない。緊張していたりいらいらしていたらその気は必ず相手に伝わる。それではいいマッサージはできない。

タイマッサージで合掌するときには、自分が未熟であることを仏に伝え、仏のお力をお借しくださいと祈りなさい、とタイマッサージの学校では教える。治してやるという傲慢な気持ちではなく、そういう謙虚な気持ちで祈るならば、仏にお任せすることで自分の責任は楽になり、体の力は抜け、幸せな気持ちになるだろう。念仏やお経を唱えるだけで幸福になると心から信じている仏教徒は念仏(マントラ)を唱えるだけで瞬間的に副交感神経優位の変性意識(半分寝ているような瞑想状態)に意識を変化させることが出来る。こういう変性意識の時に脳のアルファ波は最大化し、手は暖かくなり、全身からいい気が発せられる。

では私のように信心深くないものはどうすればいいのか?

要は幸せな心の状態を作ればいいのだ。好きな音楽を聞いても変性意識は形成される。それ以外にも、相手への感謝の気持ち、過去のいい思い出、何でも良い。合掌の時間を借りて気持ちを落ち着かせ、喜びに満ちた気持ちを自分なりにつくればいい。

合掌によってまず自分がリラックスすることは極めて重要なのだ

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