Wandeeマッサージ・スクール
久しぶりにワンディに行ってまいりました。今回はハーブマッサージを習う約束を電話でしておいたのですが、朝から生徒さんがたくさん来ており、ハーブは16:00からということになってしまいました。私はチェンマイスタイルは完璧に忘れているので生徒の方のモデルになりつつ様子を観察しました。全部で8人ほどいて、その構成は
?アンドレさん:ワンディホームページを立ち上げ、長期間滞在中。基本的には生徒で日々新たなことを学んでいるが、ワンディの代わりに教えていることが多い
?Nさん:アンドレさんほどではないがかなり長期間滞在している日本の方。アンドレさんと同様、先生としていろいろ教えてくれる。ワンディの講義は何を言っているのかわからないので日本語で教えてくれるのはかなり貴重。もちろん二人とも報酬は貰っていない。
?生徒:日本人6人ほど。初心者から経験者まで幅が広いが、さすがにワンディに来る方たちはレベルが高い。5日間とか厳密ではなく、数週間いる人が多いみたい。 今回欧米人は1人だけで、ハンガリー人の20代後半くらいのかわいい女性。明るくていい雰囲気を作っていた。
そんな感じで、部屋がいっぱいになるほどにぎやかでした。授業は真剣さとルーズさが同居している感じで、ワンディたちが何かを説明しているときにはみんな真剣ですが、パートナー実習の時間は真剣にやっている人、ずっとおしゃべりしている人、寝ている人と様々です。このあたりがワンディの評価が分かれる理由で、限られた日数で緊迫した雰囲気の中で技を真剣に学びたい人は×、楽しくマイペースで時間はいくらでもあるという人には○、ということになります。翌日からは私のためにハーブの説明の時間を多くとってくれたために、特に他の方たちはだらだらしていたように思います。私が割り込んだのが悪いとも言えますが、基本的に先生のアサインとスケジューリングが全くなされていないルーズなシステムがいけません。この大らかさはワンディスクールの良さでもあるのですが、生徒がたくさんにな ると収拾がつかなくなる問題になります。
さすがにワンディも休みなしはきついらしく日曜は休みになるのですが、今回は私が無理を言って飛行機までの数時間特別に教えてもらいました。私とワンディ二人だけの一日です。腰、肩、頭痛という3大メジャー疾患の治癒法をそれぞれじっくり教えてもらったのですがマンツーマンだと一流の先生ということがよくわかります。細かいことをいろいろ教えてくれ、手技も精密なところまで矯正されます。こういう時間をどれだけ取れるかがポイントですね。
建物は二年前から大きく変わっています。当時駐車場だった1階は部屋が増築され、2階も部屋がたくさんになっていました。ワンディ家の居住スペースは増え、生徒の宿泊もできるようになったということですが、それは増築であって改築ではありません。震度3で崩れそうな小屋であり壁紙や床の仕上げも雑なままで、ゲストハウスと比べても最低のレベルです。しかも、国道の車の音が容赦なく入ってきて物凄くうるさい。トイレ風呂も心が惨めになるレベル。周辺は何もなく夜はやることがない (チェンマイ市街地であればバーとか屋台とか露天とかレストランとかいくらでも時間を過ごし人と語らう場所がある)。となると、誰も泊まる人がいないのは当然で部屋は物置と化してました。こういう経営感覚のなさがワンディを助けてあげたくなるような理由になるのですよねえ・・・。経営について学んだこともないので当たり前なのですが。
1)ハーブマッサージ
数ヶ月前にワットポーで初めて受けたときあまりの気持ちよさに悶絶したので習ったのですが、技術的にはほとんど何もありません。習得すべきことは薬草の知識だけです。どの植物が何に利くのかです。ハーブというのはレモングラス、うこん、しょうが、ゆず等無数にあり、ワンディはそのうち10種類ほどを持っていました。これらを適当な比で混ぜて(分量比は実にテキトウでした・・)、石臼とすりこぎでひたすらすりつぶします。ハーブ玉8個分くらいを作るのに2時間以上かかりました。ハーブ玉は25B程で売っているので買った方が楽です(笑)。今回は生の植物を使いましたのでとてもジューシーな仕上がりになりましたが、乾燥させたものでもよく、売っているものは乾燥しています。
ところで、
今回ひたすらすりつぶす作業をしながらNさんと話していたことは、肉親や親しい人が病気になったとき自分で何が出来るか、出来ることのひとつに薬草のハーブ玉作りがあるならば、それを一生懸命するだろうし、そういう心のこもったハーブ玉は買ってきた25Bのものより何倍も癒しの効果があるはずだということでした。マッサージといい、ハーブ玉作りといい、西欧医学と比べて極端に人の手と時間と心を必要とする医療、お金では換算できない真心を伝えることが最大の効果であり、何にも勝ることであると思います。現代人は愛する人が苦境に陥ったときに 直接力になれることが何もないことに気がついたときに猛烈な焦燥感に襲われると思います、そしてできることは自分の金を使うことだけだと悟ったとき 、他力本願に頼らざるを得ない自分に対して虚無的な絶望を感じるはずです。 なぜなら多くの場合、相手もそこそこのお金を持っていてお金で解決できること(医療や薬)は既に実施済みだからです。もしお金では買えない特別なことをしてあげられるならそれほど素晴らしいことはありません。そしてそれは何も難しいことはなく、数千年の昔からマッサージやハーブという誰にでも出来る暖かい愛の授受の方法 として伝えられてきているのです。それを心を込めて相手に施せば、生かされている、人を生かしているという感動がお互いに得られることは間違いがありません。 マッサージというのはそういうものだと心から思います。こういう種類の感動というのは長い人生の中でももっとも美しいものなのに、現代人は合理性の名のものとに自らそれを放棄してしまっているようなものなのです。マッサージというのは職業として行うものではなく、肉親を治療するために行うのが王道なのではないでしょうか。
本題に戻ります。
すりつぶした草に、塩と防虫剤みたいな匂いの化学物質(しょうのう? ナフタリン?)を多少入れてよく混ぜてそれをハーブ玉用の綿の布に詰めて布の端についている紐で縛り上げるとハーブ玉ができます。ワンディは輪ゴムも使って固定していました。輪ゴムはタイの屋台でおなじみのくるくるっと縛る縛り方です。
できあがったハーブ玉を蒸し器で蒸します。お湯はぐらぐら煮立っています。温度調節とかはなく、熱く蒸しあがったらそれをセンに沿って肌に直接押し当てます。当然ながら最初は飛び上がるくらい熱いので、皮膚の厚い掌や足の裏からぺたぺた軽くタッチして行きます。しばらくすると押し当てても熱くないくらいになりますので圧を全身に展開します。押し当て方は少しコツがいるのですがぐっと当ててぐりぐりっと回す感じです。やがてハーブ玉が冷めてきますので、別の玉に取り替えて引き続きやります。そのため、玉は2、3個用意しておく必要があります。ハーブ玉は10回ほど使ってもいいみたいで、他の人にするときには蒸し器のお湯で表面を洗って暖めなおしたりします。使い終わったら玉を解いて新しい草と混ぜて再利用したりもします。普通は身体のマッサージをした後に仕上げとしてハーブマッサージをするみたいです。 ハーブマッサージの気持ちよさや効能は薬効成分だけでなく熱という要素が大きいと思います。熱を使うといえばお灸ですが、そういう要素が入っているということです。お灸はシャープ&ディープにツボを攻める点で鍼と対になる技術、ハーブはタイ式マッサージと対になる技術という位置づけができるかと思います。
技術が余り必要ない割にはかなり気持ちいいので、私は結構好きです。オイルマッサージよりもいいと思います。
2)フットマッサージ
今回ワンディがフットマッサージをしてくれたのですが、・・・な出来です。雑で余りうまくないのでどこで習ったのか聞くと、「ワットポーで習った生徒に習った」そうです。そ、それで生徒を取っているのか(絶句)。スティックは自分で削ったそうで、先が尖がっていて押されると痛いです。ワットポーで売っている100Bのものを強く勧めましたがチェンマイでは売っていないとのことで、誰か買ってあげないといけないですね。そんな感じで、ワンディでフットを習うのは全くオススメできません!
2005/11/20 camel