指の形 - 甘手と苦手

当スクールの受講生は実に様々で、マッサージのプロの方も多い。特に多いのが、アロマオイルマッサージサロンのセラピスト、ヨガインストラクターの先生、そして鍼灸按摩マッサージの資格保有者。

そういう方と一緒にタイマッサージの勉強をしているとこちらが教えてもらうことも多い。先日、鍼灸按摩マッサージの先生に教わったことが「甘手(あまて)と苦手(にがて)」。指圧する指の形は人によりこのどちらかだと言う。

甘手とは、指圧するときに親指がほぼ90度に反り返り、指の腹で指圧できる指。苦手とは、指圧するときに親指の第一関節がほとんど反らないために、指先が突き刺さるように入る指のことである。男性に甘手が多く、女性に苦手が多い。

指圧は基本的に、親指の第二関節を真っ直ぐにして、第二関節から第一関節までの指の骨を皮膚に対して垂直にしてして体重をかけなければならない。そうしないと、第二関節に異常な負担がかかり、すぐに指を痛めてしまうからだ。

だから、苦手の人は、指の腹で押そうとすると関節に負荷がかかってしまうため、指先で押さざるを得ない。結果として皮膚に接する指面の表面積が小さくなり、単位面積当たりの圧が強い、スティックで押したような圧となる。

甘手の人はその逆で、指の腹の大きな面積で押すためにソフトでねっとりした圧となる。

同じように指圧をしているはずなのに、受けた感じが施術者によって大きく異なる理由はこういうところにある。体重や技術だけでなく、指の大きさ、指の形がその人の指圧の個性を決めるのだ。

一般的には甘手の方が好まれるとのことだが、もちろん、苦手の鋭い指圧を好む人もいる。苦手であることは欠点ではなく、個性だと理解するのが正解だろう

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