イエップ – 足踏みの技

イエップという押し方がある。足裏で相手の筋肉を踏む方法だ。
ピシット先生はもちろん多彩なイエップの方法を知っていて、相手の体の状態に応じて何を使うか教えてくれる。単に踏めばいいという訳ではなく、イエップの効果を最大化するには、相手の体の角度、自分のポジショニング、相手の体のサポートの仕方等々、細かいところを正確に行わなければならない。自分の体のバランスを取りながら正確に相手の筋肉に足を当てていくのは簡単そうで簡単ではない。しっかり習ってからでないと行うべきではない。

このイエップという方法はフォークマッサージ(田舎のマッサージ)の手法の一つで、王宮系では全く行われない。自分の全体重をしっかり預けられるので、ハムストリングなど大きな筋肉を強く、楽に押すには優れた方法なのだが、「踏む」という行為は相手に対して失礼だからである。

チェンマイの有名な先生のところでは腕や肩まで足で踏むことを教えているが、ピシット先生は言う。

「イエップを行うのは下半身に限られる。上半身を踏まれるのは不快だ。本来的には指、手を使うのがもっとも丁寧だが、強く押すのにどうしても必要な場合、下半身には使用しても良い」

イエップは、田舎のレイジーマッサージ(怠け者のやり方)の一つでもある。

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