治療マッサージの世界(3)

治療マッサージはどこで学べるか?

まずは、このWEBサイトの右の列で紹介しているような解剖学の本を購入して独学で勉強することをお勧めする。骨、関節、筋肉がどのような関係で結合し、どういう仕組みで体は動くのか、なぜ筋肉は凝るのか、そういうベーシックな知識は書籍から得るのが一番である。

しかしもちろん、書籍だけではわからない。凝った筋肉やトリガーポイントがどういうものなのかは実際の体を触って初めて理解できる。そういうことを学べる学校はチェンマイにいくつかある。

まずは、RSMインターナショナルスクール。ここでは、重要な筋肉と体の問題の関係、トリガーポイントの見つけ方、解し方を、生徒の体を触りながら詳しく学ぶことが出来る。解し方はオイルを使ってトリガーポイントの上で指を滑らせながら加圧する、トリガーポイント除去には最も効果が高いと言われるクリニカルなテクニックである。
非常にレベルが高く、また完全に英語でのレッスンとなるので、ベーシックな解剖学の知識やマッサージの経験を持って臨む必要がある。また、教師の池田先生はかなりの熱血漢なので、生徒にも相応の真剣さが要求される。

次に、ピシェット道場。治療マッサージをうたっているわけではないが、ここで習う内容は治療マッサージそのものである。関節の可動域を確認し、手で触ってトリガーポイント(ここではスーパーブロックと言う)を発見し、それを慎重に丁寧にゆっくり解していく。触診の重要性と、揉み返しを起こさない、スムーズな加圧方法を徹底的に学ぶ。一日に学ぶ量はごく僅かで、それを繰り返し繰り返し練習するストイックな学校である。解剖学的なことを教えてくれるわけではないので、そういう知識は別途自分で学んでおく必要はある。また、数週間、数ヶ月は滞在しないと一連のテクニックは身につけられないが、数日だけでも通うことで、タイマッサージ観が変わることと思う。

次にシンチャイ治療マッサージ。ここも毎日夕刻2時間だけのレッスンだが、毎日、特定の筋肉をテーマに、診断の仕方、解し方について丁寧に教えてもらえる。解すテクニックは、ピシェット先生のような垂直持続圧ではなく、トリガーポイントや筋肉をばらす様に解すクロスファイバーストレッチ、そして肘を使って大きな面積で強押しするテクニックが中心となる。強い垂直指圧の場合、ピシェット道場で習うような、体重を使った純度の高い押し方をすれば大丈夫なのだが、下手に行うと筋繊維を破壊して揉み返しを作る原因となる。シンチャイ先生が教えてくれるクロスファイバーテクニックは手首を柔らかく使い、弱めの刺激を繰り返し筋肉に与えるスタイルなので、筋繊維を破壊する危険が少ない。ここには解剖学の知識が豊富な欧米人も集まるので、彼らからも色々なことを教えてもらえる。先生も優しく、場所も時間も便利なので、居心地のいいスクールである。

治療マッサージの大家であるピシット先生の治療マッサージコースについては次回説明する

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