いいマッサージとは(6) – テクニック

前回は垂直指圧で美しい音色を奏でる方法について述べた。まとめると、

1)背筋を自然に伸ばした正しい姿勢
2)ポイントに正確に母指をセットし、四指で後側をサポートする
3)腕を真っ直ぐにして手首を固定する
3)通常の呼吸の吐く息に合わせてお尻を持ち上げていく。このときに押すという意識は持たない。丹田をポイントに寄せていくつもりで自分の上半身は脱力していること
4)息を吐ききったところで一瞬静止するが、息を吸い始めたらそれに連動させてお尻を下げて圧を抜いていく。同時にポイントを移動する。

この繰り返しとなる。二人で交代しながら、それがどういう感覚を身体にもたらすか確認しつつ、繰り返し練習すれば美しい音色を無意識に安定して奏でることができるようになる。

タイマッサージの指圧では、もう一つ、キアセンという解し方がある。ジャップセンとも言う。西洋医学的な言い方はクロスファイバーストロークストレッチである。
キアセンは、母指または四指でセン(ロープ状に堅くなった筋繊維)を弾く。ギターの弦を弾いて音を出すように弾く。あるいは、円を描くように回しながら弾く。このときに大事なことは手首を柔らかくしてスナップを効かせ、セン上を常に均一でマイルドな圧で指を移動することだ。やったことがない人は何を言っているのかよくわからないと思うので、また音楽に例えてみる。

バイオリンやピアノを習うときにまず言われることは、手首を柔らかく使うことだ。手首を固定しないことによって指先に繊細さが生まれ、美しく透明な音が生み出される。垂直指圧はゴルフやテニスのように手首を固定するのに対し、キアセンでは手首を開放する。また、体重を乗せずに手先だけで行う。その意味でキアセンはより音楽に近いと言っていいかもしれない。そして、かなり練習しないとコツがつかめない、より高度なテクニックであるが、上手に行うととても気持ちよく、そして筋肉を解す効果も高い。

スポーツの基本に通じる垂直指圧、楽器演奏の基本に通じる水平弾き、これらを組み合わせながら施術は進んでいくが、次回は音楽の最も重要な要素であるリズムについて説明する

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