いいマッサージとは(8) – まとめ

ここまで、多くの文字数をさき、私なりに考え、分析し、いいマッサージについて書いてみた。わかったようなことを書いてしまったが、実は私もまだまだ未熟者で、書いておきながら自分で実践できていないことも多い。そして、まだまだタイマッサージについてわからないことが多い。

ピシット先生によると、同じセンを指圧する場合でも指を置く方向によりセンを流れるエネルギーの方向が変わるそうだ。また、指から気が発せられるので、健康な気を発することができるように、施術者の心と体が健康であることが重要だということだ。

私は、気やエネルギーを、神経を伝わる響き、音色として解釈したのだが、そうではなく、熱や電磁波のようなものなのかもしれないし、心から心に直接的に作用するテレパシーのようなもの(人はラジオの電波のような電磁波を発して相手に情報を伝達するという説がある)なのかもしれない。

そういう未知の領域については今後の宿題だが、ここまで書いてきたことをまとめると、タイマッサージのスタイルは楽器のようなものであり、スタイルの違いに関わらず追求すべき本質的なことは音楽性の追求ということになる。

チェンマイスタイルとピシットスタイルの人はそれぞれ異なる楽器の演奏者と言える。ピアノの名人であっても、バイオリンを渡されればどう演奏していいのかもわからないだろう。スタイルが違うというのはそういうことだ。
しかし、どの楽器の奏者も音楽を奏でるということは同じで、お互いにその音楽性に感動する。楽器の違いとは別の次元で、音楽性の優劣がある。だから、一つのスタイルを選んだら、他のスタイルのテクニックに惑わされることなく、そのスタイルにおいて音楽性を追求するのが正しい練習だ。追求した結果、生み出される音楽は一つではない。施術者の体型、指の形、性格の違い、そういうものが音楽に個性をもたらす。個性あるタイマッサージを受けるのもまた楽しい

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